5月4日、ゴールデンウィークの活気に沸く東京・丸の内。世界最大級の音楽祭「ラ・フォルジュ・ルネ(LFJ)TOKYO 2026」のエリアコンサートを訪れました。会場は丸の内オアゾ1Fの「〇〇広場」。オフィスビルの洗練された空間と雑踏が交差する、まさに「都会のオアシス」のような場所です。
今回お目当てにしていたのは、マリンバ奏者の稲瀬祐衣先生とピアニストの佐藤佑美先生によるユニット「カレイドスコープ(Kaleidoscope)」のステージ。普段はパーカッションを加えた編成でも活動されていますが、今回はマリンバとピアノの二重奏という、お二人の呼吸がダイレクトに伝わるデュオ編成でした。
■ 都会の喧騒を彩るクリアな音響
オープニングのモンティ『チャールダーシュ』が鳴り響いた瞬間、広場の空気が一変しました。吹き抜けの空間、そしてPAを通した適度な音量感。それがかえって新鮮で、通りすがりの人々も思わず足を止め、都会の真ん中に突如現れた音楽の泉に引き込まれていくのが分かります。
圧巻だったのは、その超絶技巧。マリンバの木の温もりのある深い音色と、ピアノのきらびやかな粒立ち。アンコールのハチャトゥリアン『剣の舞』では、目にも止まらぬマレットの動きと正確無比な打鍵が完璧にシンクロし、息の合った演奏には「余裕」すら感じられました。

■ 音楽の歴史を旅するトークと調べ
プログラムは、日本の叙情歌からピアソラ、そしてコルンゴルトまで多岐にわたり、まさに「万華鏡」のように表情を変えていきます。中でも印象的だったのが、佐藤佑美先生による楽曲解説です。
コルンゴルトの『あなたなしで』を演奏する際、「映画音楽の父」とも呼ばれる彼が、実はあの『スター・ウォーズ』のジョン・ウィリアムズに多大な影響を与えていたというエピソードを紹介してくれました。佐藤先生自身も「これ、あの曲の元ネタかも?」と驚かれたというお話は非常に興味深く、歴史の繋がりを感じながら聴く名曲は、より一層深く心に響きました。
■ 余韻を日常へ連れて帰る
終演後、その興奮冷めやらぬまま物販コーナーへ向かい、稲瀬先生(佐藤佑美先生伴奏)のソロCD『FEEL』を購入。幸運にも直接サインをいただくことができました。CDには佐藤先生が共演されているトラックも収録されており、あの場所で感じた熱量をそのまま持ち帰れるのが嬉しい限りです。
爽やかな5月の風、丸の内の雑踏、そしてお二人が紡ぎ出す繊細かつ力強い音のテクスチュア。ラ・フォルジュ・ルネという音楽祭の醍醐味を凝縮したような、贅沢なひとときでした。
佐藤先生、稲瀬先生、心躍る時間をありがとうございました!またお二人のアンサンブルを聴ける日を楽しみにしています。

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026 エリアコンサート
2026/5/4(月・祝)17:30〜18:10
会場:丸の内オアゾ 1F 〇〇広場
演奏:カレイドスコープ(マリンバ:稲瀬祐衣 / ピアノ:佐藤佑美)
【セットリスト】
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モンティ:チャールダッシュ
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岡野貞一:春の小川
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小野史敬:春は来る
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シューベルト:鱒
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ピアゾラ:鮫(エスクアロ)
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イベール:白い小さなロバ
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コルンゴルト:あなたなしで
【アンコール】
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ハチャトゥリアン:剣の舞

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